「結婚式でいただいたご祝儀が予想よりも少なかった」
「ご祝儀1万円、2万円って普通なのかな?」
結婚式を終え、祝儀の中身を見て疑問に感じるカップルは意外と多いようです。
ウエディングプランナーの私が、悩まれている花嫁様へご祝儀のあれこれについてお伝えします。
- 1,2万円を包む考えられる理由
- 結婚式の費用と祝儀
- 海外のご祝儀事情から見る日本の結婚式
目次
結婚式のご祝儀1、2万円を包む考えられる理由
思っていたよりも、いただいたご祝儀の金額が少なかった!
期待していたと言ったらあれだけど、頼りにしていたのは間違いないところですよね。
なかなか本人に聞き辛いですし、自分たちの中で消化していくしかないのかもしれません。
でもなぜ結婚式のご祝儀相場があるのに、それよりも下回る金額を包むのでしょうか?
その場合に考えられる理由として以下5つです。
- 金銭的事情
- 2次会と合算で考えている
- 地域差
- 遠方のゲスト
- 昔の習慣
順番に解説していきます。
まず始めに、日本の平均的なご祝儀額を見てみましょう。
日本の結婚式の費用総額平均は約355万円(ゼクシィ調べ)に対するご祝儀平均は
- 友人:3.0万円(ご祝儀相場3万円)
- 上司:3.9万円(〃 3~5万円)
- 恩師:3.7万円(〃 3~5万円)
- 親族:6.7万円(〃 5~10万円)
(全て平均金額 データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2019)
上記の平均額を参考にしてみると、ご祝儀1、2万円はやはり平均値よりは少ないと言えますね。
金銭的事情
第一に考えられるのが、金銭的事情です。
友人の結婚式に3万円のご祝儀だとしても、女性はヘアセットやヘアアクセサリー(7千円)やドレス代 (1万円)、ご祝儀袋(100〜千円)、交通費、2次会代金(平均七千円)…
と、一度の結婚式で出て行くお金は平均約55,000円!

月に1度の割合ならまだしも、友人の結婚式が同じ月に2、3回ある!
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
すると、月10万円、15万円は結婚式で出て行く…と考えると、なかなか生活とのバランスを取れなくなってきますよね。
また、ゲストの中には就職や転職したばかり、引越しや家を買ったばかりなど、お金が手元にない時もあるかもしれません。
後述しますが、結婚式のご祝儀額は必ずしも3万円でなくてもいいのです。
お祝いの気持ちとして、その方のお財布事情で出せる精一杯の金額と考えてみてはいかがでしょうか。
2次会と合算
2次会の費用と合算して考えられているのかも知れません。
例えば、会費1万円の2次会の場合、
2万円のご祝儀+1万円の会費=3万円
という考え方です。

ご祝儀制の結婚式を挙げていない方であれば、もしかしたら全体で3万円になれば大丈夫と思われている方も中にはいらっしゃるかも知れません。
地域の習慣
地域による認識の違いです。
例えば、沖縄県ではご祝儀は平均1万円です。
また、北海道では平均1万7千円の会費制となっています。

これは招待人数や内容も本州の結婚式とは異なってきますが、
その方がその地域出身だったり、住んでいる方であれば、地域による習慣の違いもあり得ます。
遠方のゲスト
新幹線や飛行機を使って来るゲストは、その結婚式に列席する交通費だけで結構な金額を払って来ています。
金銭的事情にも関係して来ますが、ご祝儀の中から、重んだ交通費を差し引くという考えなのかも知れません。

昔の習慣
後述しますが、結婚式の歴史を見ていくと、およそ30年前からご祝儀が3万円、という定説ができたのです。
その前までは1万円だったので、それの名残がある方なのかも知れません。
結婚式のご祝儀が3万円よりも下回る金額を頂いた際、その方の背景を考えていくと良いかも知れません。
日本の結婚式のご祝儀の歴史
実は3万円のご祝儀文化は、最近30年で構築されたもので、歴史は浅いのです。
下記の図を参考にしてみましょう。

結婚式の歴史とご祝儀の変化 引用:https://make-from-scratch.com
この表から1970年頃の高度経済成長期にはご祝儀が1万円だったのに対し、
1980年代からのバブル期で3万円のご祝儀文化が生まれたことがわかります。
これは時代背景に深く連動していることがわかります。
高度経済成長〜バブル期で日本全体の景気が良くなっている時に、その裕福さから派手婚が流行しました。
そして全体的にお金回りが良かったため、ご祝儀もお祝い事だから、と従来の1万円から3万円に上がりました。
時代背景が変わっていったのに、ご祝儀額だけはそのまま3万円をキープしていき、いつしかそれが定説となっています。
そう考えると、結婚式のご祝儀額は社会経済と連動しているため、柔軟性を持っていくことになりそうですね。
ご祝儀で3万円という暗黙のルールは、実は30年と歴史が浅い。
また、バブル期の名残となっていて、時代背景や経済状況によって変化していくものかも知れません。
海外の結婚式のお財布事情
では海外の結婚式のご祝儀と比べるとどうなのでしょうか。
そこには、日本の結婚式とは驚くべき差がありました。
中国では経済状況によりけり!?
お隣、中国では、ご祝儀は地域によって平均額が異なりますが、 平均23.8 万元(約310万円)の式に対し、基本的に5000円〜1万円ほど包みます。
また、それはゲスト側の経済事情で決めて良いということです。
もし転職したばかりでお財布事情が厳しい人は5000円ほど、
親しい間柄の人にはもっとお渡しするそうです。
下記の図は中国の地域別ご祝儀の平均額を表したものです。

中国の地域別ご祝儀表 引用:https://imachu.com
最も安いところで、雲南省の100元(約1500円)
そして最も高いところで香港の1000香港ドル(約14000円)となっています。
中国のご祝儀は一般的に
親戚や親友: 千元~ 2千元(13,000円~ 26,000円)
同僚・友人: 200元(3,000円)以上
となっており、結婚式総額費用は日本と同じくらいですが、ご祝儀は格段に安いことがわかります。
そしてご祝儀は、近年ではAlipayやWeChatPayという、日本でいうLINE Payのようなもので、オンライン決済が主流だそうです!!
アメリカを始め世界の結婚式は祝儀なし?
イギリスやアメリカではご祝儀という考えがありません。
代わりに当たるものとして、Wedding Registry/Wish list(欲しいものリスト)があります。
新郎新婦が新婚生活で欲しいものをあらかじめリスト化し、オンラインもしくは店頭で購入できるようにURLや案内が招待状に入って届きます。
費用は大体50ドル〜100ドル(5500円〜11,000円)だそうです。
物だけでなく、新婚旅行のチケット代やホテル代など、本当に欲しいものを提供できて良いですよね。

韓国では5千円!?
韓国も、中国同様な金額設定です。
平均結婚式総額は約220万円に対し、平均ご祝儀額が
- あまり親しくない知人や遠い親戚:3万ウォン(約3,000円)
- 親しい友人や同僚:5万ウォン(約5,000円)
- 近い親戚:10万ウォン~(約1万円~)
こちらも関係性によって金額が左右されますね。
また、結婚式自体もビュッフェスタイルが主流になるそうです。
結婚式に気軽に来てもらいやすいような設定金額となっている。
海外では結婚式のご祝儀(プレゼント)はあくまでプレゼント。
結婚式自体へのお金は新郎新婦が負担するという認識がありそうです。
まとめ
日本の結婚式の歴史や海外のご祝儀事情を交えてお伝えしましたが、日本のご祝儀金額は世界でもトップクラスで高額であると言えそうです。
本来ご祝儀はお祝いの気持ちです。
いつの間にか、金額設定が暗黙のルールのようになっていますが、ここ最近の傾向です。
それに、その方にとっての精一杯の額なのかも知れません。
ご祝儀自体も、こうでなければいけない!という固定概念から外して
時代背景や経済状況によってもっと柔軟に設定できる世の中になることを願います。
トップ画像はこちらのサイトからお借りしました。
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