結婚式の担当プランナーを変更された【契約前に知っておきたい裏事情】

「結婚式場の見学時に案内してくれた担当プランナーから、打ち合わせになったら別の担当者がついた!

「打ち合わせごとにプランナーが変わる…

こんな思いをされている新郎新婦さん、実はすごく多いのです。

これには、結婚式業界のカラクリがあり、それを理解していくと
「初期見積もりから100万以上上がった!」
「初めての見積もりの段階で、なぜ100万も割引が出来るのか」が理解出来ると思います。

結婚式場で6年以上働く私が、担当プランナーが変わる仕組みや裏事情をお伝えします。

結婚式場を決める前の方にも読んでいただいて損はないかなと思います。

この記事でわかること
  • 担当プランナーが変わるのは、分業制の会社だから
  • だから見積もりが上がるのか!分業制・一貫制のメリット・デメリット
  • 担当プランナーが変更されそうになった時、断って良い

結婚式場の担当プランナーを変更されたのはなぜ起こる?

最も考えられる理由としては、「分業制の会社だから」ということです。

結婚式場には大きく分けて、「分業制」と「担当一貫制」があります。

結婚式場を見学した時に、この人がいいと思って申し込みをしたのに、いざ打ち合わせが始まると、別の人が担当者になって残念だったというのは、打ち合わせ業務と営業を分けている分業制の会社だからです。

これは業界内部事情なので、深掘りして説明してみますね。

担当一貫制と分業制とは?

担当一貫制とは、最初の会場見学から打ち合わせ、結婚式当日の施行まで基本同じ人が担当して行うことを指します。

分業制とは、会場見学、打ち合わせ、施行と、それぞれ別の人が担当していくことを指します。

 

もっと詳しく説明するために、結婚式の工程を見てみましょう。

①結婚式場を会場見学
②会場決定
③打ち合わせ(2~7回ほど/平均半年)
④結婚式のグッズの搬入・リハーサル
⑤結婚式当日

担当一貫制は①〜⑤まで全て同じプランナーが行います。

一方分業制は①、②のいわゆる営業と呼ばれるところは新規営業の人
③、④打ち合わせは、打ち合わせ担当のプランナー
⑤の当日は介添人・キャプテンと呼ばれるアテンドの人
がそれぞれ担当していきます。

これでお分かりですよね。

分業制を取り入れている会社では、最初の営業の人と打ち合わせでは担当者が違うのが当然なのです。
そのため、結婚式の準備になったら別の人が担当についた!ということが起きるのです。

しかし、結婚式の会場を選んでいる時にこの仕組みを知っている方は多くない為、成約後、担当が変わることを知ってびっくりされる方が多いのです。

そして、結婚式業界では、この分業制を採用している会社がほとんど
大手や人気会場になればなるほど、分業制を取り入れないと回らなくなってしまうからです。

担当者が変わる理由まとめ

結婚式業界では、「営業・打ち合わせ・施行」を分業しているため、担当者が変わることが多い

ウエディングプランナーが変わる分業制のメリット

担当者は変わりますが、分業制にするメリットもあります。
その中から2つご紹介します。

  • その分野に特化している
  • 打ち合わせ予約を取りやすい

それぞれ解説します。

その分野に特化している

それぞれのスペシャリストが担当してくれ、全てが高いクオリティになりやすいことです。

例えば、打ち合わせ担当の方は、打ち合わせのスペシャリストです。
結婚式のマナーや知識はもちろん、準備期間に出て来やすい疑問や悩みを先手で解決してくれたり、段取りが良かったりして、スムーズに準備を行えるように打ち合わせしていくプロです。

また、アイディアが豊富だったり、提案力があったりし、打ち合わせがスムーズに行いやすいです。

 

打ち合わせの予約が取りやすい

打ち合わせ担当の方は基本的に土日は打ち合わせのお客様のために空けているので、打ち合わせ予約が取りやすいです。

一貫制だと、土日は基本的に自分のお客様の結婚式が入っていれば結婚式が最優先です。
打ち合わせは結婚式後の時間からしか入れられないのです。

それに比べて、打ち合わせ担当の方は一番予約の入る土日はフルで空けているので、打ち合わせ予約が取りやすいのです。

 

デメリット

分業制にすることのデメリットを2つあげます。

担当者同士の伝達不足・責任の所在が不明瞭

毎回担当者が異なってくるため、伝達不足の問題が上がって来ます。

正直、分業制の会社をキャンセルするカップルの最大の理由は、ここにあります。

会場見学時はおふたりを知る時間。
そこを営業担当の人が知っていても、それをプランに落とし込むのは打ち合わせのプランナーです。
もっと言うとその打ち合わせで言った細々した要望を実現するのは、また別のアテンダー

例えば、会場見学で何気なく話したご家族のことや二人の希望、
小さい話まで100%打ち合わせ担当に伝達できているところはなかなか少ないです。

そして打ち合わせで話したことも、当日アテンドするのは別の人で、打ち合わせ担当のプランナーは会場にいないこともあります。(他の方の打ち合わせをしています…)

 

担当者が毎回違うから、同じことを何度も言わなければならないし、伝わっているのか不安になる新郎新婦さんも多いです。

また、営業の人が作ってくれた見積もりからどんどん上がっていく…
それはその責任の所在が不明確になることに繋がります。

営業の人のゴールは成約してもらうこと。
そのために、お得に見える見積書を作成して成約をもらいます。

しかし、充分なものが入っていない見積もりだと、どうしても打ち合わせで金額が上がって来てしまいます。

「この初期見積もりは不足していることが多い!」と言いたくても、目の前には初期見積もりを作成した人はいなく、打ち合わせのプランナーがいる…

そのように、責任の所在が不明確になるため、お客様が言いたくても言えない状況になってしまうのです。

 

全体像が把握しづらい

それぞれが担当するため、自分たちが今どこまで出来ているのか、全体像を把握しづらくなります。

これはお客様、担当者どちらにも言えることなのですが、
新郎新婦としては、下手したら毎回違う担当者が入って打ち合わせをするため、自分たちが今全体のどの辺りまで出来ているのか把握しづらくなります。

そして担当者としては、土日に打ち合わせが入っていることで、結婚式本番の流れをあまり体感出来ません。

お客様と紙面上での結婚式の流れを決めていけますが、本番に起こりうる状況や空気感をどうしても盛り込みにくくなってしまいます。

 

担当者が変わらない一貫制のメリット

一貫制の良いところを2つ挙げます。

  • 責任の所在が明確で安心感がある
  • ふたりの一番の理解者であること

順に見ていきます。

責任の所在が明確で安心感がある

会場見学から結婚式当日まで、ずっと同じ人であることで、責任の所在も明確になりますし、一度言えば伝わっているという安心感があります。

ウエディングプランナー 変更された 結婚式 

一貫制の良さは何と言っても安心感!   引用:https://www.sugarbeacheventshawaii.com

例えば見積もり。
初期見積もりは、その後の打ち合わせでびっくりするほど上がる要素が無いような、正直な見積もりを作成します。
なぜなら、打ち合わせも同じ人が行うため、初期見積もりからあまりにもかけ離れた金額になっていくと、お客様からの信頼を失うからです。
つまり、最初に出す見積もりも責任の所在はそのプランナーにあるため、誠実な見積もりでなければ、その後の打ち合わせに影響が出ます。

また、打ち合わせで言っていた「時間があったらこれをしたい」と言う些細な一言も、結婚式当日に時間を見ながらふたりの要望を叶えてくれます。
それは打ち合わせも当日の施行も同じ人が担当して、ふたりの想いを知っているからです。

 

そのように、お客様も「担当プランナーに言っておけば大丈夫」と言う安心感もあります。

そうして積み上げた信頼関係は、結婚式当日の一番の心の支えになります。

 

ふたりの一番の理解者であること

結婚式当日はとりわけ緊張しますが、自分たちが主役になってしまうため、何も出来ないのが結婚式。
そこで二人になり代って結婚式を進めていくのがプランナーの役割です。

でも、当日はハプニングも付き物です。
急な変更もあり得ます。
そんな時、ふたりと約半年間一緒に結婚式の準備をしてきたプランナーが、ふたりのことを一番理解しているため、ふたりにとって理想な判断をしてくれやすいのです。

それに、緊張している中で、一緒に結婚式を創ってきたプランナーがいつも傍にいることで、結婚式当日はかなり救われて、もうこの人に任せておけば大丈夫、と思って、自分が心から楽しめます。

 

また、結婚式の一連の流れをプランして実施していく経験を積んでいるので、全体像や空気感、このイベントをしたらかかる時間など、実行に移す際のイメージまで出来ているので、具体的な提案をしてもらいやすいこともメリットです。

デメリット

担当一貫制のデメリットを二つお伝えします。

予約が取りづらい

土日は結婚式の担当をしていたり、新規接客に入っていたりし、なかなか打ち合わせの予約が取りにくいことです。

どうしても土日休みの方が多いため、土日に予約が集中します。

しかし、土日だと担当している結婚式が入っている場合は、100%そこが最優先ですよね。
それ以外の時間でも、新規の会場見学のお客様の営業接客に入るなど、一人で全て行うため、必然的に打ち合わせを行う時間も限られてきてしまいます。

担当者と相性が合わない場合

会場は気に入っているけど、担当者と相性が合わない場合、一貫制は担当者がネックになることもあります。

担当者が良くも悪くも変わらないため、相性は大事になってきます。

ただ、相性が合わなかった場合は、思い切って担当者の変更を申し出ても大丈夫です。

 

担当が変わりそうになったら断っても良い

会社都合で担当プランナーを変更されそう、という場合、基本的断っても大丈夫です。

ただ、プランナーが退職の場合は難しいですが、異動などの場合は交渉の余地があります。

また、分業制と言えど、営業の人もプランナーとしてプランニングも出来る人が多いです。
営業だから担当を持たない、とも限らないのです。

異動の場合

関東圏から沖縄に異動になった、など飛行機を使わないと行けないような場所に異動になった場合以外は、交渉出来る可能性があります。

しかし、お二人が挙式をされる時期にもよります。

あと1ヶ月で結婚式、など打ち合わせも中盤から後半の状態での担当変更は伝達ミスにも繋がるため、変更しないでほしいと言う希望を伝えていくのが良いです。

ただ、結婚式まで3ヶ月あって、まだ結婚式の打ち合わせも1、2回という場合は、難しいかも知れません。

担当を変えて欲しくない場合は、しっかりと希望を伝えていくと、異動先から通って打ち合わせをしてくれたり、逆に打ち合わせ場所を異動先で行なったりも出来るかも知れません。

実際に、名古屋から大阪に異動になった同僚プランナーは、担当変更を拒否されたお客様には、大阪から通って打ち合わせを行なっていました。

 

まとめ

結婚式は初めて行う方が多いです。
そしてリピーターはほぼほぼいないのが結婚式業界。

そのため、内情があまり知られておらず、結婚式準備を行なっていく方がほとんどです。

結婚式の案内のスタッフが最後までしてくれると思われる方も多いですが、
分業制だとそれは難しくなってきます。

担当者が変わりそうになった場合、どうしてもその人が良い!となったら変更せずに済む案があるかも知れません。

 

参考になれば幸いです♡

 

 

トップの画像はCareer Addictよりお借りしました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

ウエディングプランナー兼ブロガー 『世界のWeddingを発信し、日本の結婚式に新たな価値観を』 国内とハワイでウエディングプランナーとして約120組の結婚式を担当。 ブログでは世界のウエディングや結婚式準備を中心に発信中。 Aloha, I'm a wedding coordinator and blogger. Now recruiting couples, wedding planners, photographers or wedding dress shops who allow me to interview about wedding in your country!!