世界の結婚式を取材し、発信していくウエディングプランナーのHirokoです。
世界の結婚式シリーズ、今回はイギリスの結婚式をご紹介します。
ロイヤルウエディングのイメージがあり、ウエディングドレスやしきたりに、世界からも注目を集めて、実は日本の結婚式でも取り入れられるアイディアがいっぱい!
かっちりとしたロイヤルウエディングのイメージですが、イギリス人の結婚式は一日がかりの盛大なパーティー!?
そして、イギリス人の結婚式にご招待された際にも役立つ、服装やマナーについてもご紹介します。
- イギリス現地の結婚式の流れ
- 結婚式にご招待された時の服装
- 結婚式のお金やご祝儀事情
- イギリスの披露宴で定番の演出〜日本の結婚式でもヒントになるかも〜
目次
結婚式にご招待された時の服装
ゲストとしてご招待された際の服装のマナーについて、お伝えします。
- フォーマルな場であれば、帽子は必須
- 帽子以外の服装・マナー
- 男性の服装について
- ブライズメイドの服について
順に解説します。
フォーマルな場であれば、帽子は必須

アマルクルーニーの、ロイヤルウエディングの列席衣装にもハットを 引用:https://www.standard.co.uk/
ゲストとしてイギリスの結婚式にご招待された場合は、男女ともに帽子をお忘れなく!
フォーマルな場であればあるほど、帽子は必須です。
ロイヤルウエディングでも、ゲストが帽子を被っているスタイルを目にしますね。
日本では、結婚式に帽子は諸説ありますが、基本的にはタブー。
しかし、イギリスでは、帽子を被っていない方がタブーになることも。
つばの広い帽子でも大丈夫ですが、頭にちょこんとつけるファシネーターが人気です。
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列席する衣装に合わせて、帽子も選んでいきましょう。
帽子以外の服装・マナー
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鮮やかな色の列席衣装のイメージ 引用:https://www.brides.com
帽子以外は、お洒落着ワンピースなど、そこまでかしこまった服装でなくても大丈夫です。
淡い明るい色の洋服を、着られることが多いようです。
避けたい色は、黒一色か、白一色です。
イギリスでは、黒はお葬式の時に着る色だからです。
白色を避ける理由は、世界共通、新婦の色だからです。
しかし、後述しますが、ブライズメイドは白色が許されています!
そこに気をつければ、意外とカジュアルでも大丈夫です。
また、ダンスパーティーがあることから、ダンスも出来るスカートの丈の長さや靴を考えましょう。
男性の服装

男性の服装についても、黒一色はタブーとされています。
紺やグレーなどのスーツを選ぶと良いです。
また、日本では白いネクタイをつけられる方も多いですが、黒のネクタイを避ければ、色に対しての決まりはありません。
ブライズメイドの服について
白色のブライズメイドドレスもイギリスはOK! 引用:https://www.insider.com
イギリスのブライズメイドは、全組と言うわけではありませんが、白色の衣装に身を包むこともOKとされています!
日本では、白は花嫁の色であるため、ゲストが着ることはタブーですよね。
しかし、INSIDERによると、イギリスでは、ゲストの中でもブライズメイドだけは白を着ていいとされています。
ちなみに、イギリスでは、ブライズメイドの衣装代金は、新婦持ちになることがほとんどです。
イギリスの結婚式の金銭事情やご祝儀事情
1日がかりの盛大なパーティーを行う、イギリスの結婚式。
その結婚式にかかる費用は…
平均25,000ポンド (およそ350万円)
ロンドンの場合は、平均35,000ポンド(約490万円)!
となっております。(weigertimages調べ)
ロンドンになると一気に値段が上がりますね。
日本の結婚式の平均は354万円、首都圏では377万円です(ゼクシィ調べ)。
大体日本の結婚式と同じくらいの費用ですが、日本と大きく異なるのは、ご祝儀がないことです。
つまり、この金額を自己負担しているのですね!
ご祝儀事情
イギリスではご祝儀という概念は、基本的にはありません。
代わりに「ウエディングリスト」という、新郎新婦の欲しいものリストがあります。

招待状の送付時に、同時にリストも送られ、その中から予算の範囲内で、新郎新婦が新生活で必要なものを贈ります。
大体オンラインでリストが見れて、そこから注文し、新郎新婦の家にプレゼントとして贈るのが一般的です。
これにより、二人の必要なものをプレゼント出来、スムーズに新生活を始められ、効率的ですよね。
必ずしも物でなく、新婚旅行代金であったり、寄付だったりします。

チャリティに寄付してもらう、というシステムもあります。
新郎新婦が決まったチャリティを選び、そこに寄付していくと、後日NPOのチャリティ団体から、「ウエディングチャリティのおかげで綺麗な水が飲めて、安心して学べる」と感謝のメッセージが届くそうです。
通常、新郎新婦から指示がありますので、そちらに従いましょう○
このウエディングリストシステムは、日本でも取り入れられそうですよね!
日本ではご祝儀○万円、がほとんどですが、ゲストからプレゼントをもらったり、ゲストとしてもギフトを贈る方が、後々の生活でも役立ち、話題にもなりますよね。
イギリス現地のウエディングの流れ
イギリス人の結婚式の大まかな流れをご紹介します。
- 挙式【1時間ほど】
- シャンパンレセプション(ウェルカムパーティー)【1時間ほど】
- レセプション(披露宴)【3時間半ほど】
- ボール(ダンスパーティー)【4時間ほど】
大体1日がかりで行うため、午後から始まれば、深夜にお開きになることも!

それぞれに見ていきましょう。
イギリスの挙式

イギリスで結婚式をする場所としては、
- 教会
- レジスターオフィス(区役所)
- 挙式の許可を受けた場所(お城、ホテル、レストラン、大きなお屋敷など)
があります。
日本では婚姻届にサインをし、提出したら結婚できます。
しかし、イギリスでは、立会人2名にその場で署名をしてもらわないと成立できません。
そのため、新郎側新婦側よりそれぞれ1名ずつ立会人を設け、サインをしてもらいます。
シャンパンレセプション

日本で言う、挙式後のウェルカムパーティーのようなイメージです。
披露宴に入る前に、食前酒で歓談してリラックスします。
イギリスでは、シャンパンを振舞うことが多いです。
レセプション(披露宴)

イギリスでは披露宴のことを、レセプションや、ウエディングブレックファーストと呼びます。
朝食ではないのですが、午前中に挙式が結びになった後に行うお食事会だからか、そう呼ばれているそうです。
レセプションは3時間ほどと、日本と比べると長い時間ですが、余興などはほとんど存在しません。
また、日本のようなプロ司会者もいません。
代わりに、ブライズメイドやグルームズメンのような、新郎新婦の友人が司会役を務めてくれたり、ウエディングプランナーがしたりします。
それに、お色直しもされない方がほとんどです。
多くは、結婚式で着るドレスをずっと着ています。
披露宴の演出として大きなものは、ケーキ入刀とスピーチです。
こちらは後述します。
ボール(ダンスパーティー)

レセプションが結びになると、ダンスタイムの始まりです!
日本人からすると、二次会のような感覚ですが、これも結婚式の一環です。
イギリスでは、そのまま全員で参加していきます。
ボールから参加するゲストも、いらっしゃいます。
レセプションよりカジュアルな雰囲気です。
中にはDJを呼んで、本格的なパーティーにされる方もいらっしゃるんだとか。
そして、メインイベントの一つ、ファーストダンスを行います。

海外ではケーキ入刀と同じように、定番の演出です
その後、ブライズメイドやグルームズメンが加わってダンスをし、その後は全員で夜まで踊り明かしていきます!
イギリスの披露宴で定番の演出
イギリスでの定番演出としては、
- スピーチ
- ケーキ入刀
- ファーストダンス
と、行うことは、欧米諸国と一緒です。
しかし、内容は、アメリカとは異なっています。
順に見ていきましょう。
スピーチ

イギリスでは、スピーチをする人と内容が異なっています。
日本でも、ご友人からのスピーチや、上司や職場の方からの祝辞、両家代表謝辞がありますね。
イギリスでは、披露宴の後半からスピーチタイムが設けられます。
そこで話す人は、
- 新郎父
- 新婦父
- 新郎
- ベストメン(親友)
が一般的です。
最近では、新婦やブライズメイドも話す場面もありますが、基本的には男性が話すのですね。
上司からのスピーチなどはありません。
そもそも、職場の上司を建前上で結婚式に招待することは、イギリスではありません。
スピーチの内容
スピーチは、暴露話が多いのも特徴です!
アメリカや日本では、どちらかというと感動的な内容が多いですよね。
しかし、イギリスでは、新郎新婦の過去の失態や時には恋愛についてなども話し、本人達はヒヤヒヤ、しかし周りは笑える、そんなエピソードを話すことが多いようです。
そして、スピーチのラストにはふたりを褒める内容でしめて、乾杯です。
ちなみに、女性は乾杯のご発声はしません。
スピーチ後
スピーチ後は、家族や友人に感謝の気持ちを込めて、プレゼントを贈ります。
両家お母様と、ベストメン・メイドオブオナー(ブライズメイドの中でもまとめ役・親友がすることが多い)にプレゼントを贈ります。
日本でも、披露宴のラストに、親御様に記念品を贈呈しますね。
日本で取り入れるなら
カジュアルで笑えるようなスピーチを望むなら
スピーチをお願いする人を厳選するのと、スピーチの内容をカジュアルなもので大丈夫と伝えると良いです。
結婚式の趣旨も伝えると、感動系よりは、明るい話題を持ってきてくれるかもしれません。
ウエディングケーキは数年後まで食べられる!?

イギリスでは、ウエディングケーキは独特な特徴があります。
そしてウエディングケーキは3段であることが多いです。
そして、それぞれの段に誰がいつ食べるのか、きちんと意味があるのです。
- 三段目(一番下):当日来てくれたゲストへ
- 二段目(真ん中):結婚式に来られなかった人
- 一段目(一番上):新郎新婦が1年後や結婚記念日に食べる用
二段目の「結婚式に来られなかった人」にケーキを贈る際、ケーキが悪くならないか心配になりますよね。
また、一段目は一年後の結婚記念日、もしくは子供が生まれた時に新郎新婦がお祝いをして食べます。
「腐っちゃわないの!?」と心配になります。
ウエディングケーキと言えば、スポンジの生クリームを思い浮かべますが、イギリスでは、日持ちのするフルーツケーキを使うので、数年後まで食べられるのです。
フルーツケーキとは、お酒をたっぷり含ませ、ドライフルーツをふんだんに使ったケーキです。

ドライフルーツケーキイメージ 引用:https://shiawase-pan.net
ケーキ入刀のタイミングは、レセプションのうちどこでも大丈夫です。
ちなみに、ファーストバイトはありません。
アメリカの文化なのですね。
日本で取り入れるなら
イギリス風のウエディングケーキを考えてもいいかもしれません♪
フルーツケーキをシュガークラフトでコーティングしているものなら、デザインも自由で、楽しめます。
ファーストダンス

新夫婦になったふたりが、初の共同作業の一つとして披露する、ファーストダンス。
海外の結婚式では、定番です。
イギリスでは、新郎新婦どうしだけでなく、新婦と祖父など、世代でダンスしていくことも特徴です。
世代間を大切にするイギリスだからこそ、親やその先の代にもフューチャーしていきます。
ダンスをするタイミングは、アメリカと違い、レセプションのラスト・ボールの始まりのタイミングで行います。
日本で取り入れるなら
披露宴の中で、ファーストダンスや親御様・おじいちゃんとのダンスを行うのも良いです。
海外でも、ファーストダンスのために、ダンスレッスンを通う方は多いので、ダンスをしたことない、という方でも練習すれば大丈夫です!
イギリスの結婚式まとめ
イギリスの結婚式についての流れや、日本と違うこと、参列時のマナーなどをご紹介しました。
海外の結婚式を伝えることで、色々な考え方を知り、色んな形があっていいんだ、ということを感じてもらえたら、この上なく嬉しいです!
また、海外の結婚式の特徴を、日本の結婚式にアレンジして取り入れてもらえたら幸いです♡
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